
パパとママのタカラモノ。
第5章 病の発覚。
先生の話は30分程度で終わり、
「退院後も定期的な診察と、兵庫こども病院と連携して、経過観察させて頂きたいと思っています。また何かご質問などがあれば、いつでも声を掛けてください。」
そう言い残して、病室を出ていった。
「奈央、大丈夫?先生はあんな事言っていたけど、医者っていうのは大抵、最悪の事態を言うものだから‥気にしたら駄目よ。」
何を勘違いしたのか
お母さんは私を慰めた。
「それにしても、可哀想に‥。目が見えないかもしれないなんて‥。」
悲観的なお母さんとは裏腹に、
「とりあえず、今私達にできることを精一杯、風真にしてあげましょう。」
義理のお母さんは前向きな様子。
奈央「そっか。まぁ目だけで良かったよね。」
「奈央!!?」
奈央「ねぇ智ちゃん?」
私の問い掛けに智ちゃんが答える。
智也「何とかなるよ。」
"何とかなる"は智ちゃんの口癖。
智也「今あーだこーだ言っても、風真の目が治るわけじゃねーし、五体満足なだけえかろーが。」
そうそう。
今、私達があたふたしても
目が見えるようにはならないし、
ちょっと頭がついていけない。
風くんが病気なんて‥
そんな冗談言わないで。
ねぇ、先生??
