
パパとママのタカラモノ。
第3章 新生活。
「あれぇ?斎藤さん、もう良いの?」
担当の看護師さんが
残した朝食を覗きこんできた。
「出産までに体力、蓄えとかないとー。」
奈央「智ちゃんが事故したみたいで‥。」
「智ちゃん?あぁ、旦那さんね(笑)怪我とか大丈夫だったの?」
奈央「無傷らしいけど、車は廃車って‥。」
「廃車!?それで無傷!?強運だね~。」
智ちゃんの事故の噂は
瞬く間に産婦人科病棟に
広まった。
それと同時に治まっていた
お腹の張りがまた始まった。
「斎藤さん、痛いでしょう‥。」
「点滴する?少しは楽になると思うけど‥。」
担当医と看護師さんが
代わる代わる病室に来て
様子を見てくれた。
「旦那さんには、もう少し親になる自覚を持ってもらわないと。」
婦長さんが
溜め息がちに呟いていたけれど
私もその通りだと思った。
