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パパとママのタカラモノ。

第3章 新生活。



「「斎藤さん、おかえり~。」」


病院に着くと
担当の看護師さん達が
出迎えてくれた。

お義母さんは


「宜しくお願いします。また明日来ます。」


そう言い残して、帰って行った。

けど私は
それどころじゃなくて、


奈央「お腹が痛い‥。」


とICUの前で
座り込んでしまった。

それを見た看護師さん達
大慌てで先生を呼びに!!

ベッドに運ばれ、
お腹の張り具合を測ると‥
まさかの微弱陣痛並の張り!
しかも15分間隔!

速攻、内診室に
車椅子で移動して
子宮口の確認。

幸い、開いてはいなかったけど
とりあえず今夜は様子見で
絶対安静だと先生に念押しされた。



その夜、右斜め向かいのベッドに
救急車で妊婦さんが運ばれてきた。

妊娠23週めで
本格的な陣痛が来たらしいと、
同室の方から後で聞いた。

(※5月末から大部屋のICUに移りました。)



「痛い、痛い、痛い!!!」

「死ぬぅ!!!もう無理!嫌ぁッ!」

「うう゛~はぁッ、んん~ッ!!!」

「ぎゃあぁぁ~!!ッああ!」


人間とは思えない悲鳴を上げて
泣き叫んでいた。

私は恐怖で布団を頭から被り
携帯を握り締めて震えていた。

看護師さんや先生が
入れ替わり立ち替わり
入ってくるので
中々寝つけなかった。

悲鳴が聞こえなくなったのは
そろそろ夜が明ける頃で、
私もやっと眠りにつけた――


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