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『幼なじみ』

第21章  回想



暫く
落ち着かない様子の
美波に・・・


あたしは・・・
魚の小骨が喉に
引っ掛かったような・・・


一瞬・・・
煩わしい気持ちに
なるが・・・


ここは気を取り直し・・・


「確かにVIPの雰囲気
変わったけど・・・


拓弥とイチャつくには
モッテコイじゃない・・・?


美波は・・・
どこに座りたい・・・?」


と明るい声で
耳打ちをする・・・。


すると美波は・・・


「やだなぁ・・・悠希・・・!


なぁに・・・エロい事
想像しちゃってる訳・・・?


拓弥君とはね・・・
もっと純粋に
仲良くしたいの~ッ!!」


と・・・
既に拓弥と
付き合っているかの
ような・・・


照れ笑いを見せ・・・


「あのね・・・?


拓弥君が・・・
此処に入って来ても
すぐ気付けるように・・・


ドアの近くに
座って良いかなぁ・・・?」


と蚊の鳴くような声で
呟いてくる・・・。


間違いなく・・・


拓弥に恋をしている
美波の仕草は・・・


少女のように
可愛らしく・・・


早く
拓弥の昔話を
聞かせてあげたくなった
あたしは・・・


咄嗟に
美波の腕を掴み・・・


人の出入りが
見える位置の
ソファーに・・・


ゆっくりと
近付いて行き・・・


誰も座って居ないのを
確認すると・・・


音を立てないよう
美波を静かに座らせた・・・。









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