
お兄ちゃんはいちご味
第8章 血の味
「捺…あたしを見てよ…」
そう言うとゆりは後ろから抱き着いてきた
「ゆり……」
リビングに気まずい沈黙が流れる
「捺…キスして…」
ゆりは俺に自分の方を向かせ、涙目で見つめてきた
「…………」
俺は何も言わずに、顔を傾けそっとキスする
「捺……お願い、このまま…」
ゆりの手が俺の腰に回される
ゆりの言ってる意味、そんなの分かってる…
俺はそのままゆりに覆いかぶさり、ゆっくり押し倒した
「……捺?」
「………ピンクかよ」
ゆりは意外にも、可愛らしいピンクの下着を付けていた。
俺はそれを見て、なぜか果乃を思い出してしまったんだ
「…何よ。意外?」
「いや、意外だけど…」
「ちょっと、そこは否定しなさいよ!」
「あははっ、ごめん」
顔を真っ赤にして怒るゆりがおかしくて、つい笑ってしまった。
ゆりは……やっぱり友達だ。
俺は…
このまま流されて、ゆりと…
それでいいのか…?
