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お兄ちゃんはいちご味

第8章 血の味




「お邪魔しまーす…」



なんだかんだ家まで来てしまった。



「いいよ、誰もいないから」

「えっ、親は?」

「今日遅くなるって言ってたから」



まじかよ…


付き合う以上、こんな展開も予想してなかったわけじゃないけど


ちょっと…

唐突すぎませんか…?



いや、でも、シャワー借りたらすぐ帰るし…




俺はシャワーを浴びながら悶々と余計なことを考えていた


俺だって男だ。

そういう展開だって考える。一応…




ガチャッ



「シャワーありがと」

「うん☆」

「ゆりはいいの?」

「あたしそんなに濡れてないから…ちょっとドライヤー当てれば大丈夫」

「そう?」



そう言うとゆりは俺の目の前で着替えを始めた。



「え、ちょ、ゆり…!?」



躊躇いもなく制服のシャツを脱ぎ始めるゆり。俺は慌てて後ろを向く。



「着替えるなら着替えるって言えよ…!」

「だってこうでもしないとあたしのこと見てくれないじゃん」

「は…?」

「見てないよ…!捺は、あたしのこと女として…見てくれてない…」




ゆりの声は震えていた。


後ろを向いてても分かった。

泣きそうなんだって





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