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お兄ちゃんはいちご味

第8章 血の味




―――放課後



俺とゆりは学校の近くの公園で適当に時間を潰していた。



「はい、コーラ」

「さんきゅ。」



ゆりが自販機でコーラを買っててくれた



「にしても蒸し暑ついな」


まだ梅雨開けしていない、なんとも言えない湿気と蒸し暑さでシャツが肌に張り付く



「てか雨降りそうだよね、あの雲」



ゆりが指差した先には、今にも降り出しそうな灰色の雨雲が広がっている



「まじかよ…俺傘持ってないし。」

「でも天気予報は晴れって言ってたよ!」

「思いっきりハズレじゃんw」



そんな話をしているそばから



ポタ、ポタ…


ザアアアアアア――――



水滴が落ちてきたかと思えば、それはすぐに土砂降りの雨に変わった。




「うわっ!まじで降ってきたし!」

「ちょっと、どうすんのこれ〜!」

「どうするって、帰る!」

「え、でも捺ん家こっから結構な距離あるし…」

「大丈夫だよそんぐらい」


こうしてる間にも雨はみるみるうちに制服や髪を濡らしていく



「捺、とりあえずうち来なよ!」

「え?」

「このままだと風邪ひいちゃうじゃん。うちこっから近いし」

「いやでも…」

「いいからはやくっ!」



そう言ってゆりは俺の腕を掴み、二人で雨の中を走った




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