
お兄ちゃんはいちご味
第8章 血の味
まだ濡れている俺の髪からぽたぽたと水滴が流れる
それは下着姿のゆりの上に落ちていく
「捺…あたしのこと好き?」
「好きだよ…」
「嘘」
好きかどうかと聞かれたら、もちろん好きだ。
だけどそれはゆりが思っている好きとは違うだろう
「あたし、捺が昼休みに果乃ちゃんと何してるか…知ってる」
予想外の言葉に、俺の表情が固まる
「見ちゃったの。この前…」
「…え…?」
「二人がキスしてるとこ」
ドクン…
自分の心臓が波打つのが分かった。
何動揺してんだ。
見られたのはキスだけで、血を吸ってる所は見られてない
俺はされるがままキスされいるだけで、
別にやましいことなんか何もないはずなのに…
