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ツンデレ彼女。

第8章 俺のもんに触るな

はー。
なんであんなことに…。
あーあ。

「おーい美来?どうした??」
賢人…そんなあたし顔に出てたかな。
「ご、ごめん、なんでもないよー」
「なんでもなくないだろ。言ってみろって」
「……いや、ほんとに、なんでもないから。気にしないでよね」

賢人はしかめっ面であたしの顔を覗き込んで来たけど、そんな言えないよ…w
賢人、絶対あたしの気持ちには勘付いてる。
でも特に何も起こらないから…
てことは別に好かれてるわけじゃないんだもんね。
まだ、始まったばかりだしそれはいいんだけど。

なんだか前田くんに見られてるような気がしてちらっと1組の席の方を見ると、目が合ってしまった。
うわー!
まさかほんとに見られてたなんて!!
とてつもなく気まずい!!!
でも前田くんはそんなあたしとは真逆で、にこっと微笑みかけてきた。
笑うとかっこいい…かも。
いや、そういうこと言ってる場合か!
あたしはあくまでも猫かぶりらしく微笑み返す。
そしてすぐ視線を逸らした。

なんとなくこの場にいたくなくて、委員会を開いていた教室をぬけだしトイレに向かった。

用を済ませトイレから出た辺りで人影に気づく。
「前田くん……」

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