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プリンセスを護衛

第61章 2年生の物語

大樹はそっと部屋から出た。
廊下は古い木造の建物ということだけあって電灯が無かった。
幸い、天気が良くて満月の日だったため真っ暗ということはなかった。
3階の階段に一段足をかけたところで大樹は躊躇った。

(じいやさん、ダメって言ってたよな?でも、確認するぐらいは良いよね?)

大樹は躊躇った末、3階へ行ってみることにした。
彼は用心深い方では無かった。
それどころか無用心だった。

(大丈夫。大丈夫。)

階段を上がると右に大きな茶色い扉があった。
多分、俊也の部屋だろう。

車の音は微かだが耳が良い大樹には聞こえていた。

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