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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

瞬間…小田切さんはビクッと震えて、一歩下がって 



「着替えてくるよ。香織ん、ご飯食べるだろう?」



「うん…。」



「じゃあ…準備するね…。」



パタン…。
小田切さんの部屋のドアが静かに閉まる。



まるで、彼の今の心の様に感じた…。



なんで…こないだまで、抱き付いても抱き締め返してくれた。 



優しく頬や額に、キスしてくれたのに…。



グニャリ…床が歪む様な感覚。



私は床に、座り込んだ。



「嘘…。」



いつか終わりは、来ると思ってはいた。



でも、それはお互いの傷が癒えた時…その時なんだと…。



私が小田切さんを好きになったから?



小田切さんが光花さんへの過去と向き合ったから?


そうだとしても、もう少しだけ…一緒に居させて欲しい!


「お願い…。」



私はお腹に手を当て、床に頭を押し付けた。


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