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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

かなり早いが顔を洗いに、洗面所に向かおうとドアを開ける。



「ガチャリ…。」



「あっ…。」



「おはよう…香織ん。早いね…。」



タオルを肩に掛けて、先に洗面所から出て来た小田切さんと鉢合わせた。



「お、おはよう…。」



てか、小田切さんも早いでしょう!



思えば、このマンションに来てから、小田切さんが私より後に起きてきた試しがなかった。



もしかして…。



不安なのかな…目を閉じてる間に私が居なくなると思ってたりするのかな?



憶測でしかない…。



でも、何となく確信に近い気がした。



「何か、目が冴えちゃって…小田切さんも、早いね!」



「うん…あんまり良く寝れなくて…。」



あ…光花さんの事、思い返したからかな…。



でも、こんな弱々しい小田切さんを初めて見るような気がした。



いつも私ばかり泣いてて…抱き締めてもらってたから。



「小田切さん…。」



私は彼の頬に手を伸ばし、指先で触れた…。


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