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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

会社に早目に出勤したら



「小田切さん…良かったら作ってきたんですが…。」



そう言って佐伯さんが、お弁当を差し出してきてくれた。



最近食欲が落ちて少し痩せたからか、たまに色んな人からお菓子とか差し入れされ始めた。



「ありがとう…でも、気持ちだけで…。」



自分でも無意識だが弁当だけは、どの人からも浮け取らなかった。



多分、人の手作りが受付られなかったんだろう。 



「でも…ちゃんと食べられた方がっ!」



心配してくれてるのが分かる…



「佐伯さん…気遣ってくれて有り難う…その気持ちだけで十分だから。大事な人にしてあげてよ。」



精一杯の笑顔で、当たり障りなく断ったつもりだったが



「えっ!大事な人?」



佐伯さんの顔が驚愕した。



「どうしたの?」



「佐っ伯さ~ん!後は俺が責任持って、小田切をムチムチプリプリにするから任せてっ!」



「ムチムチって!ちょっ滝島!」



「行くぞ~!」



「あっ!小田切さん!」



唖然としてる佐伯さんを置いて、滝島は俺の首根っこ捕まえて部屋を出た。

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