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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

休憩室に連れて来られて、自販機のコーヒーを投げ渡される。



「ほらっ!」



パシッ!と、掌に納まる音が響く。



「サンキュー、100円だっけ。」

「奢っちゃる!」

「サンキュー。」

「今度、倍返しでな!」




ニヤリと笑って、指を二本立ててこっちに向けた。



「了解~。コーヒー二本な!」



「あぁっ!!コーヒーかい!」



どこまで本気だか冗談なんだか、でも滝島がしゃしゃり出てくる時は、何らか意味もある。 



「で…何?」



「マジ自覚ないの?天然王子!」



俺は、しかめ面して



「だから、王子じゃないよ!」



「はぁ~やつれた顔もセクシーよ!その可哀想っプリが、失恋した女子達を奮い起こしてるの解らんの?」



「失恋した女子達?そんなに、みんな辛い思いしてたんだ…。」



みんな色々あるよな…そりゃ…。



「俺だけ不幸面するなって事か?」



瞬間、滝島がコーヒーを吐き出しそうなほど、口元を歪めた。



「天然もここまでくると、記念物だな…。おまえ捕獲された方がいいよ…。」



「意味、解んないんだけど?」


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