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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

「光花…。ごめんね…。」



俺はもう一度…君に最後のキスをした。





「ガラガラ…。」



ドアを開けると、少し離れた所にお義母さんがいた。



「二人きりにして頂き、有り難うござました…。」



「小田切さん…ごめんなさいね…。間に合わなくって。」



違う…俺が携帯を上着に入れっぱなしにしてたから!



「すみません。何度も連絡頂いてたのに…。」



「本当…光花を大事にしてくれて、有り難う…。これつい先日、光花から預かってたのよ。小田切さんに渡してって。」



お義母さんが渡してくれたのは、一通の封筒だった。



「不思議ね…。何か予感してたのかしらね。また、今後の事はご連絡しますね。葬儀は身内だけで静かにやる予定なんです。」



「は…い…。分かりました。」



お義母さんは、静かに微笑んで帰って行った。



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