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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

「仕事…一段落したんだよ…。明日から、毎日会いに来れるんだよ…。」



額にかかる髪を払う。



「して欲しい事…考えた?」



ふと思い出す



『お目覚めのチュ~ゥ!』



滝島は冗談で言ったけど、キスして目覚めるなら、本当に何度だってするよ。



でも…絶対…無理なんだ。



俺は、光花の唇に自分の唇を静かに重ねた。



小さくて、柔らかくて、温かかった唇は、冷たくなっていた。



小さな手を握ったが、握り返してはくれない…。



「あっ…これ…。」



部屋着で隠れてる部分が、少し見えた。



爪で引っ掻いてる、痕に見える…。



もしかして、激痛で無意識に自分の腕を掴んで、爪を立ててしまったのかもしれない…。



そう思うと、愕然とした。



こんな小さな身体で、君は一人で、孤独に、痛みに耐えていたんだね…。



その辛さを俺は少しも、請け負ってあげれなかったんだ…。


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