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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

タオルを口元に当てながら戻ると、美味しそうな味噌汁の匂いがした。



「出来たよう~。志信さん!」



エプロン姿で、満面の笑顔で向けてくる。



俺はタオルで隠してる口元を歪め、唇を噛んだ。



「うん…朝から光花の味噌汁飲める時は、良いことあるよ。」 



「本当!良かった~!じゃあ、毎日だったら毎日良いことあるのかな~。」



首を傾げながら、考えてる姿に胸の奥が痛い。



「クス…そうかもな。」



「じゃあ、早く退院しないとだね!」



「そうだよ!食べよう!」



「は~い!」



「うん!旨いっ!」



本当に…涙が出そうなくらい旨かった。


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