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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

月曜日

「ん…光花…。」



腕でベッドをまさぐると、光花が居なかった。



一気に目が覚め、キッチンを見ると案の定、お味噌汁を作る光花が居た。



「光花…。」



俺の声に気付いて、振り向いて



「おはよう~!」



おはよう…って…。



「無理するなって、言ったのに。」



昨日だって、何度途中で止めようかと思ったが、光花が最後まで、意思を押し通した…。



「ううん…何かね、今朝は身体が軽いの。昨日、元気もらえたのかも!」



えへへ~、て可愛らしく笑う。



そんな顔で、言われると…俺は自分の目元を覆って壁に寄りかかり



「顔…洗ってくるね…。」



「うん!」



勢いよく、蛇口を捻り水を出す。



「くっ…。」



涙が、出そうだ…。



俺が泣いても仕方ないのに。


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