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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

俺のアパートに着いて部屋に入り、疲れてると思い問い掛ける。



「光花…お風呂入る?疲れたなら、もう寝た方がいいよ。」



「うん…お風呂もらっていいかな。」



「分かった…お湯は張るから待ってて…。」



「うん…。その間に何か作っていいかな?」



そう言えば、昼間から何も食べてなかった…でも…。



「光花…体調悪いんだから無理しないで、いいんだよ。」



「ううん…作らせて欲しいの…。」



多分、譲らないだろうな…。



「じゃあ…簡単なので宜しく。」
「うん!」



光花の笑顔には、勝てなかった。



◎ ◎ ◎ ◎

「光花…お風呂、沸いたよ。」



「ありがとう!」



テーブルには、得意な煮物や卵焼きが作られていて、思わず泣きたくなりそうで、息を飲んで堪えた。



「旨そうだな…。」



「へへ…買い物してないから、有り合わせだけど…。」



「十分だよ…。」



「しばらく…作れなくなちゃっうかな…。」



ズキッ…胸が痛む。

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