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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「すみません、小田切さん…。」



お義母さんは、申し訳なさそうにそう言った。



今は、俺より光花の事だけ気にしてくれればいい…。



「光花さんと…一緒にいさせて欲しいからですよ。」



出来るだけ明るく、そう言った。



「お母さん…私、今日志信さんのところに行っていいかな?」



光花が突然、お義母さんにアパートの鍵を渡しながらそう言った。



「えっ!でも…。」



俺は、驚いたがお義母さんは、優しく微笑みながら



「分かったは…勝手に用意しとくわよ。」



光花の頭を撫でながらそう言ってくれた。



「ありがとう…お母さん…。」



「小田切さん、我が儘言ってすみませんが、お願いしていいですか?」 



胸が痛くなる…。



「はい…ありがとうございます。」



お義母さんは、光花と同じ笑顔をしていた。


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