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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

小さな頃から苦労して育ててくれた、母親には出来るだけ心配かけさせたくなかったんだろう…。



ずっと、そんな思いしてきたのに…何でなんだよ!



光花を抱き締める腕に無意識に力が入る。



それを感じてか、不思議そうに呼ばれた。



「志信さん…?」



「あっ…ごめん。立てる?」



「うん…大丈夫…。」



一緒に部屋を出ると、待っていてくれたお義母さんに彼女は



「お母さん…ごめんね…。わざわざ来てもらって…。」



「光花…大丈夫?」



「うん…今日どうするの?」



「光花の家に泊まろうかと思ってたんだけど…。」



「分かった…。」



そして、二人を乗せて光花のアパートに送って行ったが、その間みんな無言になってしまった。



アパートの前に着けて、後部座席に振り向き



「じゃあ、明日迎えに来ますので。着く前に連絡しますね。」



「えっ…仕事は?」



光花が、驚いて聞いてきたので



「明日は、休むよ。有給貯まってるから消化しないとね!」



何とか笑いながら返した。


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