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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「ゴホッ!」



光花は、大きく咳き込み地面に倒れた。



何が起きた…?



「ゴホッ!ゴホッ…。」



倒れたまま、また咳をして動かなくなった。



「光花っ!!」



名前を叫んで駆け寄り、片足を地面に着いて仰向けにすると、グッタリとし意識を失っている。



口元は、血で汚れていた。 



「光花…。光花っ!!」



救急車?
呼んでる間に自分で連れて行った方がいいのか?



頭がパニックになり、冷静に判断出来ない。



心臓の動悸が、早まる。



「落ち着け…落ち着くんだ…。」



自分に言い聞かせながら、携帯を取り出し
119番を押そうとするが手が震える。



「光花…。」



何とか救急車を呼び、到着するまですがる思いで、名前を呼び続けた。



「光花っ!頑張れっ!もうすぐ救急車くるから!」



みるみる青白くなっていく気がする。



「光花―――っ!!」



頼む…誰でもいいから、何でもするから、彼女を助けてくれっ!



俺は、切実に祈った…。


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