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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

日曜日

日和もいい、暖かな日射しに照らされて、木々の隙間から木漏れ日がキラキラと反射している。 



俺たちは、市営の霊園に来ていた。 



光花は父親のお墓の前に座り、長いこと手を合わせている。



左手の薬指には、先日渡した指輪が小さく光っていた。



「光花?そろそろ行く?」



「うん!」



ニッコリ笑って立ち上がり、白地のワンピースが翻る。



「たくさん伝えられた?」



「うん!いっぱい話したよ!」



「そっか…お義父さん、俺の事許してくれたかな?」



「え~!大丈夫だよ~!」



俺は、心の中で再度誓った。



本当に光花さんを大事にします…。
お義父さん…。



霊園で借りた物を置き場に返して、駐車場に向かいながら、先に歩いてた光花がワンピースを揺らしながら振り向き



「志信さん!今日ありがとう!一緒にお父さんに会いに来てくれて!」



凄い嬉しそうに、光花は笑って言って前を向く。


そんな可愛いく跳ねる背中をこれからも、守っていきたいと熱くなった…。



瞬間…。


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