テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

水曜日

光花が休みだったから、夕方待ち合わせして、ご飯を食べに行く約束をしてた。



夜の待ち合わせは、彼女がゆっくり出来るように、なるべく光花のアパート方面にするようにしていた。



「志信さん、お帰りなさい。」



駅で待っててくれた光花が、笑顔で迎えてくれる。



これがもうすぐ、一つ屋根の下になるかと思うと楽しみで仕方ない。



「お待たせ!お腹空いた?」



「うん!でもちょっと胃の調子悪くて…。」



確かに余り顔色が、良くない。



「そっか…今日はゴージャスにしたかったけど、軽めのモノにした方がいいね。」



「えっでも…。」



光花は、申し訳なさそうな顔をした。



「光花と食べれれば、何だっていいんだよ。行こう!」



「え~!?」



そう言って俺は、彼女の手を取り歩き出した。



◎ ◎ ◎ ◎

「はい、水もらったよ。」



「ありがとう…あんまり食べれなくて、申し訳ないな…。」



光花は、病院でもらった胃薬を飲んでいた。



胃に負担が掛からないように、和食にしたけれど、光花は殆ど食べれなかった。



元々、食が細いが最近ちょっと痩ていた。 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ