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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「広いシステムキッチンで、色んなモノを作るのを想像してみてごらん。」



「うん!」



光花は上目遣いになってから、目を閉じ想像してるのか、口元が緩んできてる。



てか、本当に真剣に考えてる姿が、可愛い過ぎた。



「楽しいよね~いつか、叶うかな…。」



「叶えよう…システムキッチン広いマンションにさ引っ越しするから。」



光花は、一瞬フリーズしてから



「へ……えぇっ!わ、悪いよ!システムキッチンの為にわざわざ!」



水を弾く犬みたいにプルプルしてる姿に、笑みが浮かんでしまう。



「ううん…決めたから、俺。だから…」



ちょっと緊張…



「一緒に、住まない?」
「ふぇ…?」



あっ…完璧フリーズしてる…。



「駄目かな?一緒に住めたら、休みの時もゆっくり出来るしさ、毎日顔合わせられるし…。えっと、大きいオーブンレンジとかも付けちゃうよ!」



自分も何だか必死に成りすぎて、システムキッチンで釣ろうとしてしまうのが滑稽だった。



光花は、そんな俺をジッと見詰めたまま漸く口を開いた。



「…いいの…?」


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