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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

1年半前

「う~ん…。3LDKか…何㎡必要かな…。」



「志信さん…何見てるの?」



最近掻き集めたマンションのチラシやネットで、物件を探しているところを光花は覗き込んできた。



「引っ越ししようかなって、考えててね。」



「引っ越し?」



「うん…一人だと、寝に帰るだけみたいな感じだったから、生活感ない部屋だったろ?」



「え!えっと、片付いてるよね!」



別にフォローしなくてもいいんだけど、主旨が見えないからだよね…やっぱり光花は、ストレートにいかないとだな…。



それはそれで楽だけど、イキナリ巨大ホームラン打たれるから、案外予測不可能だよね。



考えを巡らせながら、光花の頭をタシタシと撫でると、一瞬キョトンとしてから、嬉しそうに微笑む。



ずっと、この笑顔を守ってあげたいと思う。



「キッチン狭いだろ。いつまでもちゃぶ台みたいなテーブルで材料切ってるのもね。」



「う~ん…楽しいよ。」



いやいや…絵面、可笑しいし!



「システムキッチン…憧れるよね。」



「うん!憧れる~!」



よっしゃっ!


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