テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

一時間ほど経過して隣の部屋に戻ると、光花はスヤスヤと寝息をたてていた。



ベッドに入って起こしやしないかと思うのと、また理性が吹っ飛ぶかもと考えると、布団敷いて寝た方が無難かもと思ったが、光花は俺のスペースを空けておいてくれていた。



そんな気遣いに、心が温まる…。



「たく…天然娘は…。」



気遣いも天然だけど、あっちも天然とは…。



『キスしていい…。』



って、臆面なく言ってこられるようになったら、次は止められないよ…。 



「光…花…。」



人形の様な可愛い寝顔を眺めながら呼び掛ける。



「ふふ…にゅ…。」



聞こえてるか聞こえてないのか、擬音で返された。



「たく…。」



俺は微笑みを引き出されながら、光花の頬にキスをする。 



「…志…信さ…ん…。」



寝言で呼ばれて、少し驚きビクッとしたけど



「ずっと…一緒に居ようね。」



俺は、近い未来に必ず叶うと信じた言葉を光花の寝顔に囁いた…。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ