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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

『なんで、あんたが香織の携帯に出るんだよ!』



「ぷっ!君に言われちゃう?それ~。」



『あぁ?香織と、もう会わないよう言ってあるはずだよな。』



「何のことかな~?よっしぃ星の住人じゃないから、俺たち。」



『あぁ?馬鹿にしてんのかよ!』



「とりあえず、明日から香織んは俺が迎えに来るから、よっしぃいいよ!」



『おいっ!香織に替われよ!』



「じゃぁね~!バイバイキ~ン!」



ブチッ…。



小田切さんは、電話を切った…。
私が唖然としてると、 



「香織ん!走るよ!」
「えっ?あっ!はいっ!」



途端、私の手を引いてダッシュで走り出し、出入り口を出て嘉之の車が見える反対方向に進んで行く。
狭い路地を何ヶ所も曲がり、途中でタクシーを捕まえた。



あっという間の出来事…。



何が起きたか、整理が付かないでいると



「ははっ!楽しい~!サスペンスみたいだったね~!香織ん、大丈夫?」



「はい…大丈夫なんですが…頭が回ってない。」



「はははっ!驚いたぁ~!」



悪戯っ子みたいに、無邪気に小田切さんは笑っていた。



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