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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「まっ…世間なんて、こんなのざらにあるのよ。6年間頑張った気でいたら、世間の奥様方に笑われるよ!」



黎子…あんたも結婚してないのに…。



でも、リアルだ…。



「ふふふっ…因みに結婚は、もれなく親戚が付いてくるから。嘉之と結婚したかったら、どうぞ~。」



そう言って、添え物のミニキャロットを綺麗な唇に運びながら、黎子は言い切った。



あぁ…そう だよね…。



6年間、頑張った自分が可哀想に思ってた。 


そんな私の我儘に、嘉之も巻き込んでしまったのかもしれない。



私がしんみりしてると、



「前にも言ったけど、嘉之に下手な情をかけない様にしなさいよ。それが『流され易い』って、ことなんだから。」



「そ、だよね…。しっかりしないとだよね!!」



「小田切さんの元に、帰りたいなら嘉之には、非情になりなさい!!」



「非情!?どうすれば、いいのかな?」



「ありったけの嫌な思い出をエンドレスで、思い返せばいいのよ。ふふっ…。」



黎子は、凍る様な微笑みで、アドバイスしてくれた。



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