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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「たくっ!そんなに6年間にこだわって、どうするの。」



「うん…そうなんだけどさ…培って来たものとかもあるじゃん…。」



「はぁ?その結果がサスペンス劇場になってんじゃないの!綺麗に色付けるの止めなさい!」



うっわ…往復ビンタくらってる気分だ。 



更にビンタは続く。



「25歳で、結婚しました。子供三人産んで、大学も行かせ、大手会社に就職もし、結婚して家を出ました。」



なんだ、なんだ!
急に話の流れが変わったんだけど。



「へ…黎子、誰の話し?」



「亭主はずっと仕事一本やりで、家庭を省みず、家事育児、学校行事、ご近所付き合いは、全部自分がやって来ました。」



「は、はい?」 



「親戚が集まれば、雑用係り、姑、小姑のご機嫌取り。旦那が退職して、家でゴロゴロ、子供たちも手が離れ、そんな人生40年!」



「それで!」



なんかハマってきたぞ!!



「あなた話がありますと、突き付けた紙切れは離婚届!行き着く先は、『熟年離婚』!」



「えぇっ!頑張ったのに!」



黎子は、一口アールグレイのアイスティーを飲んだ…。


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