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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

金曜日

会社に出社して井関さんには、簡単にカタログの説明をしたと報告した。



余り深いことは、聞かれなかったから、その辺も嘉之が手回し、してあったんだろうと推測した。



今更ながら、嘉之の為と思ってしてきたことが、こんな形で自分を苛むことになるとは思ってもみなかった。 



いつもの如く、定時に上がれるようターンテーブル組んで、仕事を終わらる。



小田切さんが、今朝



「今日、あの居酒屋に行こうか!」



と言った。
待ち合わせして、久々に外で飲むのもワクワクする。



「お先で~す!」 



席を立とうとしたら、樋口さんが電話しながら手招きした。



「なんかあった?」



受話器を置いた樋口さんが、



「須永さんから電話で、下で待ってるって~。最近なべちゃん須永さんと仲良しなの?」



冗談ぽく言われたけど、私は卒倒しそうだった。



「色々…相談受けてて…。」



苦しい言い訳、ひきつりそうだ…。



「そうなの~!付き合っちゃえば!あっ、結婚したらモッキーと親戚になるのかな!」



「お疲れ様~!」



「えっ?なべちゃん、無視かい!」



元木さんは、未だにトラウマなんですよ!!


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