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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

ピロティに行くと、お約束通り嘉之が立っていた。 


襟元が少し開いてる白のTシャツに、黒の腰まである黒いカーディガンにブラックジーンズと、明らかにスーツの中では、浮いている。



更に社内報で紹介されているから、ほとんどの人が嘉之を見知っているのに…



「香織~!一緒に帰ろ~!」



って、右手の人差し指で車の鍵をクルクル回してる。



あり得ない!
あり得なさ過ぎる!



あんたに社会の常識は、ないんかい!



「ちょっと…!」



私は嘉之を引っ張って、地下に向かうエレベーターに乗りこんだ。


 
昨日されたことを思うと、しばらく会いたくなかったが、それどころじゃない。



駐車場に着いた途端、怒りのスイッチが入る



「ちょっと!ここ会社だよ!どうゆうつもりよ!」



「え~。こうでもしないと香織、会えないじゃん。」



誰がそうしたと、思ってんのよ…。



「常識ってもんが、あるじゃん!」



「はっ!常識保ったって、欲しいもん手に入んなかったら、意味ねぇよ。」



「なっ!」



どうゆう意味よ…常識も通じないの…。



私が怒りに震えてると



「家まで送るから、乗れよ。」



昨日の今日で…。



「いい…用事あるし…。」
「小田切~?」


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