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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

プツンッ…。



私の中で、何かがキレる音がした…。



さっきまで、自分の中でざわついていたものが急に、消え去っていくかのように、静かになる。



「素敵だね!本当におめでとう。式はいつなの?」



「五ヶ月後の予定です~。私の誕生日月にって!ちょっとバタバタですが、ブライダルエステ通わないとです!」



「はははっ!元木さん若いし、可愛いから大丈夫だよ!」



「え~でも~少しでも綺麗になりたいです!」



「そうだね!一世一代の大舞台だもんね。フォトとか楽しみにしてるね。」



「はい!まだ先ですけど~。司会は須永さんやってくれるですよ!」



ふ~ん…司会ね…。



「須永さん、司会…以外だね。」



「あっでも~親族で集まった時に、結構盛り上げてたんですよ。本当に身内思いな人でしたぁ~!彼もですけど。きゃは!」



「へぇ~そっか、身内を大事にするのって、温かくていいね…。」



「はい~!上手くやっていけそうです!」



満面の笑顔を作りながら、内心は冷えきってる…そんな私がいた…。 



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