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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

アングルは違うが、同時に撮ったのは明らかだった。



「須永家のアイドルでした~。彼も須永さんもきなこちゃんにメロメロなんですよ~。ちょっと、妬けちゃいます。」



唇尖らせながら、元木さんはネコの写真を次々スクロールしていく。



「これは、みんなで撮ったんですよ~。須永家ご一同です~。何か、親戚の叔父さんまで混ざっちゃってますが、みんな仲良しなんですよぉ。」



最後に一枚は、家族の集合写真だった…。



そこには、元木さんとお兄さんの横に…嘉之が笑顔で写っていた。



家族と過ごす嘉之は、こんなにも穏やかに笑っているんだ…。



そして、私は…ここに存在していない…。



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