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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

それからの一週間は、本当にハードだった。



終電にならない為にも、土日も詰め込み、夜はなるべく嘉之と居られるようにスケジュールを組む。



休み明けから、タイトな予定に井関さんたちも、かなり心配していたが、嘉之が毎日真剣に作品に取り組む姿を見れるだけで、何でも出来る気がした。



毎日、献立考えるのが楽しくて仕方ない。



嘉之が、中途半端な思いじゃないのを間近にいて実感した。



あの翌日の土曜日から通い始めたが、それからキスすらしていない。



ただひたすら、キャンパスに向かっていた。



その姿が、純粋で凛々しくて、それこそ絵に描きたいくらいだ。



木曜日…締め切り前日。



私は、シチューを作っていると



「終わったぁ~!!」



物凄く、充実感がこもる声が響いた。



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