
理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
明日も用事あるが、支度しにいったん帰ることにして、そのまま嘉之のところへ向かった。
やつれてたし、顔色も良くなかったから、今日は栄養が有るものを作ってあげよう。
スーパーに寄って、使いきれるくらいの野菜や肉を買っていく。
マンションに着いて、インターフォンを押すと
『上がって。』
嘉之の一言と共に、オートロックが解除された。
急いで駆けつけると、足音がしたのか、ドアが開いた。
「遅せぇよ!」
ちょっとイラついてる、感じだったが、顔を見れて安心した。
「ご、めん…スーパー寄ってた。」
「真っ直ぐ来いよ。」
「うん…ご飯作ろうかなって…思って…ごめん…。」
嘉之は、ため息を吐いから私を促した。
「…入って。」
「お邪魔します…。」
