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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「ありがとう!腹ペコだから嬉しいよ。香織んも一緒に飲むでしょ。」



「…飲むと思ってるんでしょ。」



小田切さんは、着替えに向かいながら少し振り返って、ニヤリと笑った。



多分、私が飲みたい気分なの分かってたクセに…。



その優しさが、くすぐったく感じる。 



Tシャツとジーンズに着替えてきた小田切さんが、所定?の場所に座る。



ソファーはよもや、ただの背もたれになっている。



二人とも毎回カーペットの上に座る状態だが、凄い楽ちん。



とりあえずのビールをグラスに注ぐ。



「お疲れ様!」



「お疲れ様です!」



チンっ!



小気味良い音が、部屋に響いた。

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