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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「はい、香織ん!」



「ありがとうございます。」



冷えたビールを受け取り、一瞬の意識がシャキッとする。



小田切さんは、お昼に頼んだピザの残りをくわえながら、ビールの栓を開けソファーを背もたれに、テーブルの間に座る。



私が、こないだ寝転んでた場所だ。



「香織ん、こっちこっち。」



野菜スティックを用意してた私に、手招きをする。



「なんですか?」



テーブルを少し前に押して小田切さんはスペースを広げていた。



「ここに来て。」



「えっ!!」


ここって言われた場所は、明らかに小田切さんの前だし、足で囲われる状態になる。



「ここ…ですか…?」



「そう!」



ニッコリ、小田切スマイル。



思わず昨日の、滝沢さんの言葉が浮かぶ…



『笑顔に騙されるな!』

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