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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「なん…!!」



何ですか?と答える間もなく、小田切さんが私の顎を掴んで下に引き、開いた私の口の中に、頼んだオムチーズの欠片を放り込んだ。



「っ!!!!!」



一瞬の出来事に、唖然とする。



「美味しいよね。これ。」



してやったと言わんばかりに、ニヤッと笑う小田切さん。



またしてもかっ!



驚きと恥ずかしさに、顔が熱くなり両手で口元を覆う。



「香織ん、変なこと言うからさ…。」



オムチーズをつつきながら、満足気である。



子供かっ!



そんなところに滝島さんが戻って来た。



明らかに様子がおかしい私たちに滝島さんが、言い放った。



「あぁ~!俺が居ない間にチュ~してたな!」



「してねぇ~よ!!」
「ひへまへん!」



小田切さんが、滝島さんを警戒した意味を少し理解出来た気がした…。



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