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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「何観るの!やっぱり王道のディズニーだよね!」



「観ないよ!」
「観ないです。」



「えっ!うっそ!マジ!?」



私と小田切さんハモりの返答に、滝島さんは本気で驚いていたのが可笑しくて、笑ってしまった。



色んなジャンルで5本借りた。



これを明日一日中、観るのか…小田切さんは不思議な提案が多いなぁ~。


◎ ◎ ◎ ◎


「では、三人の出逢いに!乾杯っ!」
「乾杯…です。」
「………。」



滝島さんの声で、居酒屋にいる現実に引き戻された。
あの後、小田切さんと最初に飲みに来た居酒屋に入ることになった。



「あんだよ、小田切。渡辺さんと二人きりになりたいのは分かるけど、そんなにブータレるなよ」



「嫁さん待ってるだろ。いいのかよ?心配してるんだよ。」



「嘘だね。嫁さんに連絡してあるから大丈夫ぅ~!『楽しんで来て、小田切さんに宜しくね!』って、出来た嫁さんだろ!」



「あぁ…滝島には、本当に勿体ないくらい、出来た嫁さんだよな。」



「聞いた?渡辺さん!いつも俺にツレないんだよ!何か言ってやってよ!」



この素人漫才にツッコめと言うのか…。

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