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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

聞き覚えのある声に振り返る。



「滝島さん!」
「滝島…。」



またしても驚く私に、露骨に嫌な顔する小田切さん。


「アフターファイブデート~?てか小田切、何だよその怪訝な顔は!」



「お前いると面倒が、起きそうだ。」



「ひでぇ~!家族のために健気にレンタル屋に来てる俺なのに!」



「お前の家庭の事情なんか、知らないよ。」



「渡辺さん!こいつの本性だからな!無駄な笑顔に騙されないようにな!」



「てか、用事済んだら帰りなよ。愛娘が待ってるだろ。」


「今日、遅くなる言ってるし。娘はいつも、先に寝ちゃってるから大丈夫なんだよ!」



「…寂しいな…お前。」



「…あぁ!しまった!要らんこと言っちまった!」



ぷっ!!素人漫才みたいで面白い。



なにより等身大の小田切さんに、ワクワクしてくる。 

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