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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

「はぁ…はぁ…。」



解りにくい所に先ずは身を隠し、腕を縛り付ける布を何とか外す。



「痛っ!」



少し痣になったけど、両手が自由になれば、こっちのもんだ!



「あっ…作品。自分で運ぶかな?」



一応、安岡さんに頼まれたもんだし…仕方ない連絡しておこう。



しばらくコール音が鳴り



『安岡です!渡辺さん、わざわざ作品の件で連絡くれたの?』



あぁ…利用されたのに信じきってる…心が痛むが安岡さんを頼るしかない。



「安岡さん…逆にお願いがありまして…。」



『ん!何々!?』



「それが…。」



細かいやり取りは、言わなかった。



用件は、作品を取りに行って欲しい事。



嘉之から部屋の鍵を返してもらって、渡して欲しい事。



この二点を頼んだ。

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