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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

「どんなに願っても…その一言だけは…6年間、一回も聴けなかったよ…。」



唇を震わせながら、



「そんな…一言で、壊れたのかよ…俺たち。」



壊れた…のかな?



「今となっては…最初からだったのかもね…。もっと素直に成れれば良かった…。」



「なら…今からでいいだろ…。」



「時間じゃないよ…嘉之は私の事…好きだったのかな?」



嘉之は眼を見開いて黙った…。



嘘…本当に…誰でも良かったの?


 
「答えられないのに…私とイタリア行くの?今、抱くの?」



「違う…そんな好きとか嫌いとか…チープなもんじゃないんだよ。」



「チープ?チープじゃないよ…好きも嫌いも…。凄く大事なのに…。」



もっと解ってあげれてれば…私たち違う未来があったのかも…。



「そっか…ごめんね嘉之…。」

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