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乾いた空

第2章 二章




駅を出ると雪は無いが、あの頃と同じ景色だった。


ここで二人で手を繋いではしゃいでいた。

若かった。


美しい思い出。



僕は休まずに、もう時が立ってはいるが、以前母から聞いたサキの居場所を伺うことにした。

自分は遠い親戚として。


サキはあの後、札幌の旅館に住み込みで働いていることは知ってはいた。

幸せに暮らしていてほしい。
もし、彼女がそこにいるようなら、遠目で一目見て、そのまま転勤先の寮へ行こう。

彼女にはもう迷惑をかけたく無い。



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