
S×強気で恋になる
第64章 お前といるから
真一って恐ろしい奴だな
俺はもはや引いていた
だって、縫われてるのに
こいつ寝てる・・・
痛くねーのかよ・・・!!
っーかバケモン?!
どーなってんだよ・・・
最初消毒液でゴシゴシされたときは
なんか痛そうで
真一も寝ぼけながら
やめろ、とか痛いとか
言ってたけど
目は開けないし・・・
んでまた寝ちゃうし・・・。
真一がグーグー寝てるから、
思わず看護師かアシスタントのおばさんに
俺は聞いていた
「あの・・・縫われてるのに寝るのってよくあることなんですか?」
「初めて見ましたよ。よっぽど疲れていたか、痛みに強いんでしょうね。傷は深くないけど長いし、多分痛かったと思いますよ。普通なら病院に来ますね。ねぇ、先生」
おばさんが真一の腕を縫っていた人に話しかける
パチンっと、糸を切る音が聞こえて
先生は手を置き、真一の腕にガーゼと包帯を巻きながら俺に向かって話だした
「様子見ますが、抜糸まで少しかかるかもです。痛みに強い方なので、動かしちゃうとおもうんですけど三角巾で固定しておきますので、あんまり無理に動かしたりしないで下さいね。」
無理に動かすなって言われたって、本人に言えよ・・・
俺の言うことなんて聞かねーし
頑固じじいだし
朝起きたらまず包帯とりそうだもん・・
っーか、ヤブに縫わすな!とかって
縫い直しそうな勢い・・
そんなことを考えながら黙っていると、
先生がまた話し出す
「消毒してくださいね。なるべく清潔に。じゃ、また何かありましたら」
「夜間にわざわざすみませんでした。えっと、会計は・・・」
俺は財布をとりに、鞄まで走った
