
S×強気で恋になる
第78章 終わりは告げないで
ったくよー
俺がいなきゃ、何にもできねーんだから
とか思いながら、携帯を耳にあてる
俺は何にも返事をしていなかったけど
純平はまだ話続けてて
それがとっても可愛かった
緩んだ顔を引き締めながら
案内された部屋の前で止まる
中から純平の声が聞こえてきて
早く抱きしめたい、って思いながら
ゆっくり障子を開けた
「それでな、ーー!!!・・・あー?・・あー!!!真一!!!」
壁にもたれかかって寝ている和也の
太ももの上に頭を置いていたのか
純平が受話器片手に俺の方を向いた
「・・・・・純平さー・・・俺泣くよ?」
そう言いながら、純平の腕を引っ張る
「泣かないで、真一泣いちゃだめー・・・」
「わかったから。起きろ。どんくらい飲んだらそーなるんだよ!!!」
「・・・眠たい・・・・・真一・・・」
「ちょっと横で寝転がってろ。和也!!!おい!!!」
純平を横に転がすと
目を覚まして水を飲み
またどうでもよくなったのか
ゴロンと横になる
ったく、
てゆーか、和也が外で酔っ払うなんて
初めて見た
「ん・・・・・あ、・・・」
「起きた?ったく、しっかりしろよ。寝るな、起きろ。お前大丈夫か?!」
「あー・・・・水・・・・」
「ん!!それ飲んで、目覚ませ!!!」
そう言うと、だんだん酔いと目が覚めてきたのか
和也は復活しだす
純平はいつまで寝てんだ・・・
甘えやがって
和也どーすっかな・・・・
俺が送ってもいいんだけど・・・
実家行きたくねーし
「和也。藤間に迎えに来てもらうか?」
「・・・うん・・・・・あいつ酒飲んでるかなー」
そう言いつつも、ほんの少し
嬉しそうな顔をする兄貴の顔を見ながら
藤間に電話する
「今から来るって。よかったな」
そう言うと、本当に反省したって顔で
和也がため息をつく
「・・・・俺迷惑かけたなー・・真ちゃんわりぃ」
「疲れてたんだろ。気にすんな。」
「純平は?・・・横山純平って言ったら、横山じゃないって、なんか泣かせた気がする・・・」
「なんだそれ?大丈夫大丈夫、こいつ覚えてねーよ。ただの酔っ払い。」
そう言いながら、しばらく2人で会話する
兄弟つっても
こう落ち着いて話すことは久しぶりで
なんとなく楽しかった
