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S×強気で恋になる

第78章 終わりは告げないで



久しぶりに一人の時間は
時間がえらく長く感じて

論文を見たり、症例を見たりしながら
過ごしていたけど
一人だから集中できるはずなのに
どこか落ち着かなかった


風呂に入ってもう寝るかと
立ち上がると携帯の着信音が鳴った

ー純平

そう液晶に映し出され
俺は寝付けないのかな?
とか
さみしくなったか。
とか

思いながら通話をおし、電話に出ると
純平はベロベロに酔っ払っていた


「でねー、聞いてるー?」
「・・・あぁ。お前どこいる?」
「話変えないでー!で、・・なんだっけ?ほら、忘れた・・・えーっと、ね、」
「誰と呑んでる。」
「それでね、」


だめだ話になんねぇ


適当に相槌を打ちながら
GPSで調べると
岡崎家がよく行く料亭をさしていて
ほんの少しほっとする

「純平、そこにいろ」
「えー俺もう帰るよ?」
「いいから。絶対動くな。美味いチョコ持ってってやるから」
「え?本当?!わかった、忘れんなよー!あ、そーだ」

そう言って、またどうでもいい話を始めるから
助手席にスピーカーフォンで放置して
俺は車を出した

昨日お願いしたから、和也だろーけど
あいつ何してんだよ

そう思うのと同時に
純平が酔っ払っても俺に電話してきたことと
しょーがねーなーって迎えに行ってるのが
妙に嬉しかった


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