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?…好き…?

第16章 そして…

彼女の車から降りる。
彼女は保育園にお迎えだ。
その為の駐車場。
保育園は駅とは逆側だが、すぐ近く。
いつまでも、一緒に居るワケにはいかない。
挨拶もそこそこに、それぞれ反対に歩き出す…
何度かしていること。
分かっているのに、今日は特に寂しい…
……………
その晩、悩んだ末、またメールをする…
『今日も○○駅ドライブありがとう、楽しかったな、来月勤務合わないし、休みとか、早出のときも、なんだったら夜勤明けも、頑張って○○駅ドライブしてもらいに、出て来ちゃおっかな』
………
彼女からの返信は…
無かった…
……………
元々彼女は、嘘か本当か分からないが、携帯をろくに見ず、寝る前に弄る程度な日も少なくない、と言っている。
今までも、寧ろ俺の方から、俺はつまらないことでもメールとかするから、全部に返信することはないよ、とそんなやり取りをしている。
会ってから彼女が
「メール見たわよぉ」
と話をするのも、ざらにある。
返信がない、と気にするのが馬鹿だ。
だけど…
やっぱり気にしてしまう…
でも…
それを口にしたり、メールしたりすることは出来ない…
良い方に転んでも、
『そんなこと気にされても、アタシは忙しいのよ』
と、あしらわれるのが関の山。
悪い場合は、
『アナタってホントにウザイ』
と、罵られかねない。
どちらも、憶測に過ぎないが、ハズレではないと思う…
俺は、何も出来なくなった。
次の月を迎えた。
彼女の動きを、待ち続けた。
だが、案の定、彼女は一向に動かない。
刻一刻と、彼女の産休は近付いている…
夜勤等、職場の喫煙所で、彼女と会うことはあった。
彼女は至って普通だった。
同僚として…
そのまま、半月以上過ぎた。
耐えられなかった。

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