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?…好き…?

第16章 そして…

来月の勤務が決まり、昼勤しかしない彼女と、勤務が合わないことが、そうさせるのだろうか…
その次の月には、彼女は産休に入る…
もう、ほとんどまともに会えない…
だからなのだろうか…
それとも…
あの日の…
エッチがそうさせるのか…
俺の中で…
彼女とは…
…もう…?…
彼女が、俺の気配に気づいた様だ。
彼女は振り向いた。
「駐車場に居るのかと思った」
「まだ、喫煙所かと思って見に行ったんだ」
職員駐車場へと向かう…
駐車場には、見慣れた彼女の車。
昨日も乗った、その車が、何故だか色々な思い出を呼び覚ます…
○○駅ドライブ…
しようとして会っているのだから、当たり前と言えばそうなのだが、彼女は特別何も言わず、俺が乗るのが、恰かも普通の様に、車のロックを解除する。
俺は、辺りを見回しながら、乗り込む。
嬉しいのに…
何故だか切ない…
来月…
また、こうする事はあるのだろうか…
どうしてだろう…?
今日は、現状を素直に喜ぶことが出来ない…
心…配…?
先のことを…?
そうかもしれない。
彼女は産休を取り、出産をしたら、子供を保育園に預けられれば、育児休暇も取らずに、即、仕事に復帰するつもりでいる。
だが…
そんなに簡単にいくのだろうか?
赤ん坊を育てるのは、それは容易ではないだろう。
彼女は今でさえ、4歳になった娘のことで、突発的に仕事を休むことも少なくない。
職場では、水面下で彼女が休暇で居なくなることを加味し、職員を補充する動きもあるようだ…
職員が補充されてしまったら?
彼女はウチの部署に復帰出来るのか?
そして何よりも、彼女自身…
乳癌からの、転移等は無かったらしいが…

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