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?…好き…?

第15章 食事…

うん、嬉しい…
予想外の展開に、困惑していたのかもしれない。
確かに、彼女と一緒に居たい。
来月は、ほとんど会えない。
厳密に言えば、彼女と勤務時間帯が全く同じ、帰る時間が一緒になる日は一日だけ…
つい先日まで、彼女は暫く休んでいた。
寂しくて、寂しくて、仕方なかった。
5分でも、長く居たい…
再来月、数日だけ出勤する予定で、彼女は産休に入る…
何故だか、もう二度と会えないかのような、そんな気持ちに、なっている…
実際、子供が産まれれば、彼女は、育児に追われる母になる。
きっと、俺など構う暇などないだろう…
当たり前のことが、俺に、焦りの様なものを、生んでいるのかも、しれない…
だからこそ、彼女が、食事に誘ってくれたことは、嬉しい。
が…もう、そうやって、彼女と食事などをして、ゆっくりと過ごすのは、これが最後の様な気がしてしまっている…
この前、彼女の家の近くで、kissをしたあの日…
「アンタが…産休に入ったら…きっと…会えなく…なるんだよね…」
「ん…たまに子守りとか…頼もうと思ってるけど」
そんなワケない。
嘘だ。
会えない、そう思っている俺に、彼女なりに、気を遣ったのだと思う。
産休中に、ワザワザ妻子持ちの男と、会うとは思えない。
彼女が、子供と迎えに来た…
車に乗り込んだ。
相変わらず、子供は何のためらいもなく、俺に話しかけてくる。
俺は、心の片隅で、この子と会うのは、これで最後かも…
と思ってしまった…
「アタシあの○○○ってとこ、入ったことないんだけど、アナタどんな店か知ってる?」
「あそこ?あそこは、普通にファミレスだよ」
○○駅からすぐの店だ。
「ドリンクバーとかもあるの?」
「うん、あるある」
「じゃ、○○○にしよっか?」
「あぁ、全然構わないよ」

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